『子供たちの救世主』

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
☆登場人物☆
長野先生…長野くん。小児科の総指揮をする存在。29歳。性格はとても穏和で沈着冷静。

森田先生…剛くん。小児科勤務1年目の新米先生。同じく小児科勤務の井沢林檎と
     付き合っている。25歳。性格は穏和で、冷静に物事を考えられる。

井沢先生…林檎。小児科勤務1年目で、森田先生と同期。新米看護師。森田先生と
     付き合っている。24歳。性格は冷静で優しい。時に熱血になり過ぎる所も。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――





森:林檎ちゃん!悪いけど…
林:回診ですか?
森:分かってるね〜。お願い!
林:了解しました〜。
長:お前ら付き合い初めて長いからな〜。あうんの呼吸ってやつか?テレパシー?
森:そんなことないっすよ(照)あ、林檎ちゃんだけじゃ心配なんで、長野先生も一緒に
  行って貰っていいっすか?
林:ひどぉ〜い。一応私だって看護師なんだから大丈夫だよ!
長:一番身近な彼氏が言うんだから大丈夫じゃないでしょ(笑)さ、行こっ!


私は、この総合病院の小児科で働く、1年目の新米看護師・井沢林檎です♪
同じく同期の剛、森田先生と交際中☆働き始めてすぐ付き合ったから、もう1年。
長野先生は、私達の一番の理解者。とても穏和で優しい先生です♪


林:失礼しまぁ〜す。…あ、コラ!かずくん!またみなちゃんのこと泣かせたでしょ!
か:わぁ〜こわいせんせいきたぞぉ〜〜!!
長:りゅうくん、大分良くなったみたいだね。もうすぐ退院かな?
り:たいいんってなに?
長:パパとママの待つおうちに帰れるってことだよ。
り:やったぁ〜!ねぇせんせい、せんせいさぁ、ウルトラマンしってるぅ?
長:知ってるよ〜!先生もね、子供の頃大好きだったよ!
り:ぼくねぇ、おおきくなったらウルトラマンになるんだ!
長:そっか〜!りゅうくんだったらきっとなれるぞ〜!その為には、早く治して元気に
  ならないとな!
り:うん!ウルトラマンみたいにつよくなってやるんだっ!
長:よぉ〜し頑張れっ!
り:そーいえば…ながのせんせぃ、ウルトラマンティガにでてたおにぃちゃんに
  すっごぉ〜くにてるね!「ティガせんせぃ」って呼んでいい?
長:ははは(笑)いいよ〜!「凄い似てる」って良く言われる(笑)
林:長野先生、、子供達とお話するの大好きなんですねv
長:うん。子供大好きだからね!さっ、次の部屋行こうか!
林:はいっ!


今は、毎日がとても楽しい。可愛い子供達と触れ合えて、職場の仲間も優しくて
仕事も充実してて…楽しい人たちばかり!!


でもやっぱり、辛いことはいっぱいある…。治療の甲斐虚しく、
3歳で偽足のお世話になる子…染色体の異常で成長出来ない子…
たった5年間の生涯を終える子…。それが、私にとっては、物凄く辛い。。
今も思い出すと、何とかしてあげられなかった自分の無力さに腹立ってくる。。
だけど、切り替えないと、仕事にならないもんね…。




ある日、長野先生が、新聞を見ながらこう言った。


長:最近多いよな〜この事件…。
森:何ですか?それ。
長:救急車たらい回し事件だよ。この病院は、受け入れられる子は受け入れてるから
  そんなことはまだないけど、いつこうなるかと心配だね。
林:どうして、、子供達を受け入れてあげないんでしょうかね…。許せません…。
  小児科医って、子供達の救世主でなきゃいけない気がするんですけど…
長:林檎ちゃん…。気持ちはすっごく分かるけど、現代の小児科はそういうものなんだよ。
  小児科のあまりにハードな仕事内容に根をあげて辞めてく人が多い…。人員不足
  なんだ。
森:確かに…ここも人少ないですよね。。
長:うん…そんな中で子供を何人も受け入れられるだけ受入れて、人員不足の中で全員の
  手当てをすることは無理なんだよ。親は当然、受け入れられたんだから助かるものと
  思ってる。受け入れたのに手当て不十分で最悪の結果なんてことになったら、
  親に向けられる顔がないからね…。
林:・・・・・・・・・・。
長:だったら最初から、ここでは措置出来ないと思った患者は受け入れ拒否をするしか
  ないんだよ…。それが小児科の現状なんだ。ちょっと、変だけどね…。
林:私も聞いたことあります。でもやっぱり、納得出来ないです。そんなの…。
長:そうだね。だけど、現状を理解した上で、俺らも働かないとね。
森:そうっすね…。じゃ、回診行ってきま〜す。
林:あ、私も一緒に行って来ます。
長:二人はいらないだろ〜!
林:森田先生だけじゃ心配なんで(笑)
長:お、仕返しか?(笑)
森:おい…少なくとも林檎ちゃんよりはマシなつもりですけど…。
長:あ、剛!305号室のたつやくん、しっかり診てあげてくれないか?左肩が異常に
  凝ってて、左歯だけがうずいてるそうなんだ。その症状、もしかしたら…心臓に
  異常が見られるかもしれないからね…
森:分かりました。じゃぁ、心電図持っていきますね。


長野先生から、改めてその問題になっている話を聞いた。知ってはいたけど、
こんなに詳しく聞いたことはなかった。それが、小児科の現状なんだ…。




可愛い子供達と、楽しい先生達と、毎日明るく仕事をしているある日。。
私と剛と長野先生が当直の夜、事件が起こった…。


長:ね、ね、二人は付き合って何年?
林:そんなの聞かないで下さいよ〜!
剛:1年目っす♪
林:真面目に答えないでよ!恥ずかしいじゃん…。


プルルルルル…プルルルルル…
夜中の小児病等に鳴り響く突然の電話。長野先生が出る。


長:はい。こちら3階小児病棟です。…はい、…はい、喘息の発作を起こした5歳女児
  ですね?分かりました。緊急措置室に運んで下さい。
林:どうしました…?
長:今から1階の緊急措置室に、喘息の発作を起こした5歳女児が運ばれてきます。
  すぐに向かおう!
剛林:はい!


一気に緊張感が走る。1階の緊急措置室へと急いで向かう、
私と森田先生と長野先生の足音が夜中の病院に響いている…。


長:林檎ちゃん!早く受け入れ準備して!
林:はい!


プルルルルル…プルルルルル…


林:はい。こちら1階第一緊急措置室です。…はい…、食中毒の3歳男児…。
長:受け入れてくれ!剛、隣りの措置室、準備して!
森:はい!
林:受け入れ可能です。今すぐお願いします!


プルルルルル…プルルルルル…


森:はい。こちら1階第二緊急措置室です!………えっ!?…少々お待ち下さい。
  長野先生!3階小児病棟からです。
長:何だって?
森:305号室のたつやくんの病状が急変です!軽いですが心臓発作を起こして、
  今看護師が措置しているそうなんですが…
長:発作!?…どうしよう…だけどこっちも手が離せない…。もう一人の先生、もう帰宅
  されたけど今すぐ呼び出すように指示して!俺はその先生が来るまでたつやくんを
  診てるから、剛、この子の措置お願い!すぐに戻る!
森:分かりました!…もしもし?もう一人の帰宅された先生をすぐ呼び出して下さい!
  それまでは長野先生が診ます。今そちらに向かいました!


長野先生が大慌てで措置室を出て行く…。そして階段を凄い勢いで駆け上がっている。
久々の緊迫状況…。私が働き出してからは、このくらいの忙しさは多々あった。
だけど、今までにない緊迫状況に混乱しそうな状態…。何…この胸騒ぎは…。


10分後、代わりの先生にたつやくんを診て頂いて、長野先生がまた大急ぎで戻って来た。
ふと待合室を見ると、いつの間にか患者でいっぱい。風邪で高熱を出した子供、
腹痛の酷い子供…救急車に乗る程でもないけれど、状態が心配な子供達が、
お父さん、お母さんと一緒に待っていた。今までにない多忙状況…


プルルルルル…プルルルルル…


林:はい。こちら1階第一緊急措置室です。…はい…、…はい…………長野先生!
長:なんだ!?
林:夕飯後からずっと腹痛と嘔吐が止まらない4歳女児です!40度近い発熱を起こして、
  意識もほとんどない状態で危険な状態だそうですが…
長:……断ってくれ!
林:…えっ…。
長:早く!林檎ちゃん、こっちきてこの子の措置手伝ってくれ!それと、待合室の
  子供達も症状が酷い子はすぐに診てやってくれ!
林:……もしもし?……受け入れ、、可能です。今すぐお願いします。
長:林檎ちゃん!!


長野先生は、凄い剣幕で私の手から受話器を奪い取った。


長:申し訳ありません。受け入れ不可能です。他をあたって下さい!


一言だけ言い残して受話器を切り、喘息患者の措置に戻った長野先生。


林:先生…どうしてですか?どうして受け入れを…
長:林檎ちゃんだって分かってるだろ…。この間話したこと…
林:でも!ここに今医者は三人いるんです!まだ受け入れ可能なんじゃ…
長:ダメだ!!看護師は診療を出来ない立場なんだ!!どんなに知識があっても、
  どんなに上手に措置が出来ても、例えこういう緊急時であっても、看護師は医師と
  同じような診療をすることは許されないんだよ!!
林:・・・・・・・・・・。
長:そんなとこに突っ立ってないで早く措置開始しろ!!
林:…はい…。


穏和で冷静な長野先生に怒鳴られてしまった。。私のしたことはそんなに間違ってる?
その後は、子供達を助ける為に仕事に集中したけれど、措置終了後は凄くショックで
うつむき加減になって、待合室のソファに座っていた。


森:林檎ちゃん…。そんな落ち込まないで…。
林:剛…。私のしたこと、そんな間違ってるかな…?
森:………完全に間違ってるとは言えない。だけど、、正しいとも、言えない、ね…。
林:・・・・・・・・・・。
剛:信じられないし許せないけど、これが小児科の現状なんだよ…。
長:林檎ちゃん、そうなんだよ…。


紙コップに入った暖かいコーヒーを差し出して、長野先生が言った。


長:林檎ちゃん、ゴメンね。さっきは、怒鳴ったりして…。
林:いえ…。長野先生の言う通りです。看護師は、医師の補佐的存在ですよね。
長:いや、補佐的であるかもしれないけど、看護師がいなきゃ病院はやっていけないよ。
  看護師は、とっても重要な存在だよ。
林:…すいませんでした。今日は…。
長:謝ることじゃない。林檎ちゃんのしたこと全てが間違ってるとは、俺も思わないから。
  軽い発作を起こした305号室のたつやくん、さっきもう1度俺が診に行ったん
  だけど、特に命に別状はないよ。今は落ち着いて眠ってる。それと、さっき隣町の
  病院の小児科から連絡貰ったよ。ここで受け入れ拒否した子供、隣町の小児科で措置
  して助かったって…。
林:本当ですか?…良かった…。
長:だけど…隣町の小児科もかなりの多忙状況だったらしいよ。ここと同じくらい。
  その子供が運ばれてくる前に、もう一人患者がもし来てたら、そこでもその子のこと、
  受け入れ拒否する程の状況だったらしい…。
森:小児科、、改めて思うけど、厳しいですよね…。さ、小児病等戻りましょうか。
  ナースコール、看護師一人に任せっきりのままですよ。
長:そうだったな。戻ろうか。林檎ちゃん。
林:・・・・・・・・・・。
森:林檎ちゃん?
林:すいません…。もう少し、ここにいていいですか…?
森:…じゃ、俺もまだここにいます。
林:いや、一人でいさせて下さい。
長:……分かった。剛、戻ろうか。
森:…はい。


何だか、色んなことが頭の中で整理出来てない…。


救急車たらい回し事件…。現代の小児科で大問題になっていること…。
それが、この病院でも現実になってしまうなんて…。




長:なぁ、、林檎ちゃん、元気ないよなぁ。この頃…。
森:この間のことでまだ考え事してるんじゃないですかね?


それは、私が看護士寮に帰宅した後、長野先生と剛だけが当直の時だった。


森:考え事するのはいいですけど、仕事に支障あるようじゃ駄目ですよね。
  今度、ちゃんと言い聞かせます。すいません。
長:いや、仕事には忠実だから、特に問題はないんだけど…。ねぇ剛、林檎ちゃんと、
  将来的にはどうしたいと思ってるの?
森:しょ、、将来的!?…まだ二人とも二十代前半だし…まぁ俺は25ですけど…
長:将来は、隣りに林檎ちゃんがいてくれたらなぁとか、思わないの?
森:それは…思いますよ。当然…。
長:林檎ちゃんはさぁ、、何で小児科に勤めることにしたの?あれだけの技術持ってるなら、
  内科とか外科とか、他でも充分やっていけるでしょ。それが何で小児科なんだろう…。
  理由とか聞いた事ある?
森:林檎ちゃんは…誰よりも子供が大好きなんですよ。子供達と一緒にいれたら
  もう何も手放しでいいってくらい、子供達と触れ合うのが大好きで…。
長:林檎ちゃんは、看護師の中で一番患者に好かれてると俺も思うよ。やっぱり、
  子供が大好きだから触れ合い方も上手なんだろうな。
剛:…林檎ちゃん、、実は、8歳も歳の離れた弟がいたんですよ。昔。
長:そうなの?…えっ、「昔」って…?何で過去形…?
森:弟さん、、林檎ちゃんが15歳の時に、小児ガンで亡くなったんです。
  たった、7年間の生涯を終えて…。
長:…小児ガン…?
森:はい。物凄く辛くて、その時は死んだ方がマシだと思う程、毎日が辛かった
  らしくて…だけど、その弟さんの死をキッカケに、小児科の看護師になろうと、
  子供達の救世主になろうと思ったそうですよ。自分の弟と同じように苦しんでる
  子供達を助けてあげたいって気持ちが人一倍強いんですよ。林檎ちゃんは…。
  それで、救急車受け入れ拒否とか、どうしても許せなかったんでしょうね…。
長:じゃぁ俺…この間「看護師は診療が許されない」とか怒鳴っちゃったけど…
森:結構ショックだったみたいです。助けてあげたいって気持ちも人一倍強いから、
  看護師の直接的な診療が許されないっていうの、当然そんな事林檎ちゃん自身も
  分かってるけど、あんな緊急時も許されないっていうの、かなりショックだった
  みたいです。
長:あんなに強く言うことなかったなぁ。。林檎ちゃんにそんな過去があるの
  知らなかったし…。
森:別に長野先生が気にすることじゃないですよ!…じゃ、、見回り行ってきますね。
長:あ、立ったついでに、そこのカレンダー、1枚めくっといて。
森:はい。…あ、もうこんな時期なんですね…。
長:うん、、どうした?
剛:林檎ちゃんの誕生日、もうすぐだなぁと思って。
長:…林檎ちゃんはさぁ、、子供達と触れ合うの、大好きなんだよね?
剛:はい。林檎ちゃんにとっては何よりもそれが大好きですよ。
長:そうだよな。…分かった。…いいこと思いついた…。剛、見回り終わったら、
  ちょっと俺の相談乗ってくれ。
剛:はい…いいですけど…?


それから1週間後、普通にいつものように仕事をしていたら…


長:林檎ちゃん、ちょっと来て!
林:えっ、まだカルテ整理終わってないんですけど…
長:それはあとでも大丈夫だよ。いいからちょっと来て!
林:はい…?


長野先生に連れられて、小児病棟の中で一番広々としている、比較的元気な子供達の
遊び場となっている広場に連れて来られた。そこには、大勢の子供達が真ん中に固まる
ようにして、ニコニコして私のことを見ていた。


林:どっ、どうしたんですか…?
長:みんな、いいかな?せ〜のっ!


『Happy Birthday!林檎先生!!』


子供達が一斉に声を合わせて、とびっきりの笑顔で私に向かって言ってくれた。
そうだ…今日は私の誕生日…。仕事が忙しくてすっかり忘れてた…。
子供達は、言い終わると同時に今度は細長いコの字型になった。
長野先生が、このコの字型の中を通って、という感じで優しく背中を押す。


「せんせいおめでとぉ〜!」


「せんせい!わたしねぇ、せんせいのこと、なんさいになってもだいすきだよぉ!」


「おめでとぉ〜せんせい!なんさいになったのぉ??」


可愛い子供達に一言ずつ声をかけて貰いながら、ゆっくり進む…。
中には、私の似顔絵を書いてプレゼントしてくれる子や、手芸が得意な子は手作りの
マスコットをプレゼントしてくれる子もいる。嬉しくて嬉しくて、涙が出そうだった。


コの字型の中を進んで、一番最後にお祝いの言葉を言ってくれた子が、
白いレースのようなものを持っている。


りんごせんせぃ〜!しゃがんで〜!とどかないっ!


そのレースのようなものを持ってる子が言う。不思議に思いながらも、言われた通りに
しゃがんでみる。その子は、私のナースキャップを黙ってはずした。
そして、ナースキャップのかわり!と言いながら、白いレースのようなものを私の
頭につけてくれた。コレは…何?


子供達の後ろから、ずっとしゃがんでいた剛が出てきた。
ここにいると思わなかったのでちょっとビックリした…。


剛:林檎ちゃん、誕生日おめでとう!25歳、俺と同い年になったね。
林:うん。ありがとう!
剛:ちょっとさ、、左手出してよ。
林:左手?


言われるがままに左手を差し出す。すると剛は、白衣のポケットから何かを取り出した。
それを、私の左手薬指にはめた…。


それは、、白く輝く綺麗な指輪…。しかも、左手薬指…。


剛:…林檎ちゃん…、みんなの前で凄い恥ずかしいけど…、俺と……結婚…しない?
林:…えっ…?
剛:結婚しよう!林檎ちゃん!!俺は、何十年経っても、隣りには林檎ちゃんに
  いて欲しい!!


頭にかけられた白いレースのようなものの意味がやっと分かった。
これは、子供達が用意してくれた、手作りのウエディングベールなんだ…。


意味が全て分かった私は、今までこらえてきた涙が溢れて止まらなくなった。
涙声になってしまって、何も言えない。何とか落ち着かせて、私は一言こう言った。


林:…私、一生剛の隣りにいたいです…。いさせて下さい!森田林檎になりたいです…!
  …よろしくお願いします…!


子供達が、私の言葉を聞いて、飛び上がって喜んでくれている。
まだ言葉の意味がよく分からない子供は、長野先生に聞いてから喜んでくれている。


嬉しさで泣き崩れる私を、剛は優しく抱きしめてくれた。


長:良かったな!本当に…。おめでとう!
剛:ありがとうございます!林檎ちゃん、長野先生がコレ、考えてくれたんだよ。
  子供達と触れ合うことが大好きな林檎ちゃんだから、みんなでお祝いして
  あげようって話になってね。この頃、林檎ちゃん元気ないし…元気づけて
  あげる為にもね!俺も、、林檎ちゃんにプロポーズする時期、うかがってたし…。
林:そうだったの…?本当に…ありがとうございます!!
長:結婚したら二人してこの病院にはいられないぞ〜分かってると思うけど…。
林:あっ、そっか、それもあるんですよね。
長:俺としては、、林檎ちゃんに残って欲しいかな〜。仕事の効率いいし…
剛:え〜っ?俺だって効率いい方じゃないっすかぁ〜?
林:結婚したっていうの内緒にして…二人で勤められませんかね?
  ほら、昔ドラマでもあったじゃないですか!
長:駄目だよそんなの(苦笑)あれはドラマの中だからOKなんだよ!




それから半年後…。私は結局、専業主婦になる為、仕事を辞めた。
剛は変わらず、あの病院で長野先生と働いている。


今思うと、弟と同じく苦しんでる子供達を助けたいっていう決意、あんまり果せて
なかったかもしれない…。そんな中で結局辞めてしまったけど…でもきっと弟は、
家族の幸せが大好きな子だったから、私がこうしていること、きっと喜んでくれて
いるんじゃないかな…。一時は、子供達の救世主になってたわけだし…。


今、とても幸せ。大好きな剛と結婚出来て、私達の一番の理解者の長野先生は、
時々遊びに来てくれるし…。それに、私は子供が大好き。そんな大好きな子供が、
自分の子供として、私のお腹の中に今、宿っているし…。


さてと、今日もこっそり、3階小児病棟に、行っちゃおっかな♪


林:どぉ〜もぉ〜♪来ちゃった♪
長:おっ!林檎ちゃん〜!また来たのかよ〜!そんな格好で来て…大丈夫?途中で
  「産婦人科行って下さい」とか言われなかった?
林:大丈夫ですよ〜。私はここの元看護師だったんですから、顔パスみたいな感じ
  ですかね?
剛:意味ちょっと違う気するよ(笑)もっと自宅でゆっくりしてろよ〜。妊娠中
  なんだから、身体いたわれよ。
林:大丈夫!運動しないと逆にダメなんだよ。大事にし過ぎてたら難産に
  なっちゃうんだから!
長:さっすが元看護師。知識豊富だね〜。
林:小児看護師ですっ!しかもこんな知識、誰だって持ってますよ(笑)
  あ、かずくん久しぶり!
か:あぁ〜!こわいりんごせんせぃだぁ〜!
林:「怖い」はないでしょぉ〜!コラ〜っ!
か:わぁ〜!ティガせんせぃ!りんごせんせいがいじめる〜!!
森:…小児病棟全体に浸透してますね。「ティガ先生」(笑)
長:ははは(笑)でも嬉しいから全然いいよ!


しょっちゅうこんな感じで、からかいに言ってます(笑)
勤めてた時期に仲良くなった子供達にも、時々会いに行ったり…。


さてと、今日も、影の子供達の救世主として、参上してこよっかな!!





―――――――――――――――――感想―――――――――――――――――
今回はちょっと難しい物語に挑戦してみました!でも変わらず林檎と剛くんの
Loveはありで(笑)それと、子供達との触れ合い場面を作るのに、
ウルトラマンティガを出してみました(笑)やっぱ今の世代の子供達のヒーローと
言ったら、色々いるけどやっぱりティガかな〜。それに長野くん=ティガだし、、
と思って出してみました

この物語内で出てきた、児童の救急車たらい回し事件は、知ってる方も
いると思いますが、作り話でなく事実です。現代の小児科で本当に大問題になってます。
この物語の中では受け入れ拒否をした子供は助かったことになってますが、
どこにも受け入れて貰えず、病状悪化して亡くなった子供は今たくさんいます…。
それと、看護師は医師と同じような診療をすることは許されてない、というのも事実です。
看護師も医師と同じような診療が許されれば、治療出来る人員が増えるわけだし…
そうすればたらい回し事件もなくなるんじゃないかな…って思いますけど…
それは無理なんでしょうかね…。一刻も早く改善されることを私は本気で祈ってます。。



SEO [PR] おまとめローン 冷え性対策 坂本龍馬 動画掲示板 レンタルサーバー SEO