『また、会えるよね。』
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☆登場人物☆
長野博…博くん本人です。なので年齢なども実年齢で32歳。恭花の彼氏。

恭花(きょうか)…28歳。博くんの彼女。だが、突然の不慮の事故でこの世を去ってしまう。
その他、恭花の父と母登場。

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また、会えるよね。




―――2004年12月24日 PM7:00―――
街のイルミネーションが眩しいくらいに輝く都会の中心…


「はい、博!Merry Cristmas!!」

大好きな彼女からのプレゼント。蛍光色の包装紙を剥がすと、
優しい感じの爽やかなブルーをした手編みのセーターが入っていた。

「新しいセーター買おうかと思ってた所なんだよ!嬉しい〜!!ありがとう!」
「喜んで貰えて良かった!…あんまり編物得意じゃないからさ。気に入って貰えて
本当に良かった!ねぇ博、次私に会う時は、絶対それ着て来てね。」
「もちろんだよ!もう着ようかな!」
「着替えられるとこないじゃん〜!」
「それもそうだな。本当ありがとう。大事にするよ!ねぇ恭花、
予約した店に行こうか!」
「うん!ずっと私が行きたいと思ってたトコ、予約してくれたんだよね。
ありがとう!」


俺と恭花は、同じ都内に住んでいて、家も近い。全く遠距離恋愛とかではないのに、
お互いに仕事や趣味や習い事などで毎日が忙しく、なかなか会えずにいた。
だけどお互いにお互いの事情を分かっていて、会えない時も相手に文句など
絶対に言わない。会えない時でも、1日1度は必ずメール交換をしている。
だけど最近、俺はメールの返事を返す時間も惜しくなり、恭花からの一方通行の
メールばかりが増えていった。


そして2004年のクリスマスイブ。偶然、お互いの都合が合い、逢う事に。
二人にとって、今までで一番最高のクリスマスイブだった。


その後は一緒に食事をして、彼女を家まで送り届け、自分も帰宅した。




―――2004年12月30日 AM11:00―――
街は年末で浮かれている。年明けまであと2日。


♪〜♪♪〜〜♪〜〜♪♪♪〜〜〜♪♪
俺の携帯に着信が入った。液晶画面を見ると、恭花からの着信だった。
なかなかメールも会話も出来ずにいたので、弾んだ声で電話に出る。


「もしもし?」
「もしもし…。」


出た声は、明らかに恭花ではない、少し年配の女性の声だった。


「もしもし…?あの、ど、どちら様でしょうか?」
「あの…博くん…、よね?覚えてる?お久しぶりです。恭花の、母親です。」
「あっ、お母さん!!ご無沙汰しております!すいません!声が分からず…」


一度、恭花のお母さんとは、実家にお伺いした時にご挨拶したことがある。
それで、お父さんとも一緒に食事をして…。あの時とは違う、かなり暗い声
だったので、お母さんだとすぐに分からなかった。


「博くん、あなたに、伝えなきゃいけないことがあるの。」
「はい、何でしょうか?」
「これから、家に来て貰えないかしら?…………黒い服を着て…。」
「これからですか?黒い服??分かりました。これからお伺いします。」
「恭花が………亡くなったの………。」




―――2004年12月30日 PM1:00―――
一度お伺いしたことのある恭花の実家。
前来た時は、春だった。大きな立派なご実家なので、庭に大きな桜が咲いていた。
だけど今は、悲しげな暗い花がたくさん咲いている。何故…?


「あら、博くん…」


恭花のお母さんが出てきた。お母さんは俺を見るなり、驚いた顔をしている。


「あなた…何なのその格好は…。」


おかしいですか?ここに来るなら、この格好が一番相応しいと思ったのに。
それを言えば、何故お母さんは真っ黒な着物を召されてるのですか?


「博くん…!君は…何て格好を…!」


恭花のお父さんが出てきた。お父さんも、真っ黒なスーツに真っ黒なネクタイ。
どうしてそんな格好を…?それに、何故みんなして俺の格好を否定するの…?


「お父さん、お母さん、ご無沙汰しております。前回お伺いした時以来、
ご挨拶出来ませんで申し訳ありませんでした。…あの、恭花は…?」
「博くん…君は、自分がどうしてココに来たのかが分かってないのかね?」


お父さんは、今にも怒り出しそうな顔で俺を見つめている。


「僕は、恭花に会いに…。」
「博くん…あなた、現実逃避しないでちょうだい…!恭花が亡くなったことが
信じられないのね…。分かったわ。それなら家の中に来なさい…!」


怒り気味のお母さんに手を引っ張られ、家の中で一番大きい部屋に連れて来られた。
部屋の真ん中では、顔に白い布を被せられた恭花が、静かに眠っていた。


「コレで、信じてくれた…?コレで…。」


お母さんは、言い終わると突然泣き崩れた。お父さんも、隣で必死で涙を拭っている。
この恭花を見て、どうしてそんなに泣かれてるんですか?眠っているだけでは…?
恭花と話がしたいなら、恭花を起こせばいいじゃないですか…?


「恭花、俺だよ?何でいつまでも寝てるの?起きてよ。前回俺がここに伺わせて
貰った時にさ、恭花が手料理振舞ってくれたでしょ?今度遊びに来たら
また作ってあげるって約束したじゃん。起きてよ。恭花!」
「博くん!いい加減にしてくれ!!」


お父さんの口調が強い口調に変わった。


「この状況を信じたくない気持ちは痛いほど分かる。私と妻だってそうだ。
今からでも出来るなら現実逃避したい気持ちでいっぱいだ。…だけどな、私等二人、
そして恭花の一番大切な人であった博くん、身近な人物が最後の言葉をかけて
あげないでどうするんだ…?恭花に、最後に言葉をかけてあげてくれ…。」
「何をおっしゃってるんですか?恭花は眠っているだけでしょう?
…最近、働き詰めでゆっくり休めなかったんでしょうね。ゆっくり寝かせて
あげて下さい。…それでは、僕はもう失礼致します。仕事が入ってますので…。
恭花に、「また連絡する」って伝えて置いて頂けますか?」
「ふざけるな!!!」


お父さんの拳が俺の頬に直撃した。


「何するんですか…!」
「この光景を見ても涙一つ流さない薄情者…しかも通夜にこんな格好して
来やがって…私と妻はな、恭花の結婚相手は博くんだったら信頼出来るなと
話していた矢先だったんだぞ!こんな男に娘をやらないで良かった!!
出て行け!もう二度とココに来るんじゃない!!この非常識者めが!!
この薄情者めが!!!!!」
「お父さんやめてぇっ!!!」


怒り狂うお父さんを、お母さんが隣で必死に止めている。
何故怒られてるのかが分からない…。お父さんの言う通り、僕は実家を後にした。




―――2004年12月31日 PM10:00―――
今日はジャニーズカウントダウンコンサート。
V6の一員である俺は、毎年参加しているこのコンサート。
今日は、大好きな恭花をBOX席に呼んでいる。


そうだ、恭花にメールしておかないと。最近メールしてなかったからなぁ…。


≪Dear→恭花
 最近メールの返事してなくてゴメンね。今日、カウントダウンコンサートだよ!
 来てくれるって約束したよね(^^)BOX席の一番前を確保してあるからね。
 コンサートが終わったら、初詣に行こう!恭花は何をお願いするのかな…?
 それじゃぁ、今夜会おうね!                  From→博≫


コンサートスタート。東京ドームに広々と設置された花道を歌いながら歩く。
中央ステージまで移動し、BOX席に目をやる。BOX席に一番前の席を
確保したはずなのに、恭花は来ていなかった。


どうして来てくれないの…?コンサートが終わったら、一緒に初詣に行こうねって
約束してたのに。次々と恭花に約束を破られているようで、少し嫌だ…。


コンサート終了後、事前に決めておいた待ち合わせ場所に行く。
恭花はいなかった。どうして…?どうして次々と約束を破られるの…?
寒い元旦の夜空の下、仕方なく俺はそのまま帰ることにした。




―――2005年1月1日 PM1:00―――
昨夜はコンサートだった為、こんな時間までゆっくり寝てしまった。
TVを点けると、年明けムード一色。袴や着物を着た人がいっぱい映っている。


今日は特にすることないんだよなぁ。だからと言って元旦から彼女呼び出すのも
迷惑かもしれないし…。久々にゆっくりしてようかな。…恭花にメールしよう。


≪Dear→恭花
 新年明けましておめでとう!!!\(^O^)/
 ねぇ恭花?どうして昨日、コンサートに来てくれなかったの?ずっと待ってたのに…。
 初詣で俺は「今年は恭花と同じ苗字になれますように」ってお願いしようと
 思ってたのに…。それは、神様にお願いしないでも、絶対叶えようね…vv
 それじゃぁ、また連絡するね。三が日中に一度会わない?       From→博≫


そういえば、昨日のメールの返事も来ていないなぁ。
メールを送ればすぐにハートマーク付きのメールを返してくれる恭花だったのに。
恭花…もしかして…俺のこと嫌いになっちゃったの…?


一度そう考え始めると、どんどん暗い気持ちになってしまっている自分がいた。
本当に恭花は俺に対する愛はもうないのでは…。大晦日も、もしかしたら他の男と
一緒にいたからコンサートに来なかったのでは…。クリスマスは仲良く二人で
過ごしていたのに…。もしかしたらあの時から、他に恋している男がいたのか…。




―――2005年1月2日 PM2:00―――
昨日から頭の中は恭花のことでいっぱいだ。すごく不安なんだよ…。
恭花がメールの返事をしてくれないことが…。試しに、もう一度送ってみよう。


≪Dear→恭花
 最近、どうしてメールの返事を送ってくれないの?忙しいのなら仕方ないけど、
 もしかしたら、恭花の気持ちがもう俺に向いてないんじゃ?なんて思って、
 凄く不安に思ってるんだ…。俺は今も勿論、恭花のことが大好きだよ。
 メール、出来る時でいいから返事頂戴ね。待ってるよ!        From→博≫


メール送信。…あれ…?メールが、返って来ちゃった…。自分が送ったメールが、
宛先不明で返って来ちゃった…。どうして??まさか…俺に内緒でアドレス変えたとか?
ますます不安になっていく自分がいる…。もう、我慢出来ない。
彼女に直接会いに行こう。


寒くない格好に着替えて家を飛び出す。無意識に、あの服を着ている自分…。


家の近くの、彼女が1人暮らししているマンションの一室。インターホンを押す。
…何度押しても彼女が出てくる気配がない。ここにはいないみたいだ…。
それじゃぁ、実家にお伺いしてみよう!


一度家に戻り、車で出かけた。彼女の実家は都内から少し外れた所にある。
彼女の実家附近にある駐車場に車を停め、彼女の実家に向かった。
そこには、家の前の掃き掃除をしているお母さんがいた。


「お母さん」
「あ、…あら…、博くん…。」
「何だ?客か?」


お父さんも出てきた。


「君は…博くんじゃないか…。」
「お父さん、お母さん、新年あけましておめでとうございます。」


俺が言った言葉を聞き、お父さんが呆れたような顔をして家の中に入って行った。
隣でお母さんは、今にも泣きそうな顔をしている。


「あの、恭花はコチラに帰っているのですか?都内の恭花の自宅に行っても
いなかったので、コチラにいるのではと思ったのですが…」
「博くん…あなたいい加減にして…。あなた…恭花のことが大切じゃないの…?」
「何をおっしゃるんですか!僕は恭花を一番大事に思っておりますよ。」
「じゃぁ、どうして大事な恭花に最後の言葉を言ってあげなかったの…?
あなたが信じられなくていつまでも逃げている気持ちは痛いほど分かるわ…。
だけど、一番大切な人に最後、会えなかった恭花の気持ちを考えたら……」


言い終わると同時に、お母さんは道端に倒れ込んで泣き始めた。


「博くん、お願いだから認めてよ!認めて、認めた上で、家の中に入って、
恭花に言葉をかけてあげて…。恭花の遺骨に向かって…。お願いだから博くん、
……恭花が亡くなったということを、早く認めてよ…!!」


恭花が…?恭花が亡くなった…?恭花…が…?……ウソだろ……
泣き崩れたお母さんを見つめながら、俺は膝から崩れ落ちるようにして座り込んだ。


家の中に通された。家の中で一番大きな部屋に通され、お父さん、お母さんと
向き合って座った。お母さんが、俺に熱々のお茶を差し出す。


「博くん、怒らないから、私達の話しを聞いてくれるかしら…?」
「…はい…」
「やっと、恭花のことを信じて貰えたかしらね…。恭花はね、12月29日の
夜10時にトラックに跳ねられて…病院に運ばれたんだけど、即死状態で…。
亡くなったのよ…」
「どうして…そんな時間に外出されてたんですか…」
「恭花のお友達に話しを聞いたらね、何だか、大晦日の夜にお店を予約しに行くって
言って出て行ったきり、戻って来なかったそうよ。お店の名前なんて言ったかしら…。
名前は忘れたけど、都内にある中華のお店の予約に行くとか言ってたらしいわ。」


俺はそれを聞いて、やっと今、全てを受け入れることが出来た。
都内の中華のお店…。そこは、俺が恭花にずっと「行ってみたい」と言ってた
店のことだとすぐに分かった。恭花は、カウントダウンコンサートの後、俺と一緒に
そこで食事する予定だったんだ。そのつもりで29日の夜に出かけたら、
トラックに跳ねられて………今までの俺の現実逃避といい、恭花が29日に
出かけた理由といい、俺はお父さんとお母さんに顔が向けられず、
ずっと下を向いていた。


「ねぇ博くん、一つ聞いていいかしら?」
「…はい…?」
「一つだけ、教えて欲しいの。あなたが、ここに来る時はどうしていつもその格好を
しているのか…。通夜の時もその格好をしていたわよね。博くんはそんな非常識な
事を平気でする人間じゃないと信じてるわ。だから、何か理由があってその格好を
しているのよね。教えてくれる?どうしていつも…
……その青いセーターを着ているのか…」
「コレは…このセーターは…去年のクリスマスイブに恭花に貰った物なんです…。
次に会う時は絶対にコレを着てくると約束して…。その約束を果す前に、恭花は……」
「そう…。そういう理由があったのね…。あら…、そのセーター、編物の目が
外れてるじゃない!これ、もしかして恭花の手編み?」
「はい。あんまり編物得意じゃないけど…とか言ってました。」
「あのコは昔っから不器用だったのよ。私が何度編物教えても上達しなかったわ。
だけどこのセーターは…今まであのコが編物をした中で一番出来がいいわね…。
きっと、大事な人にあげるものだと思って、一生懸命頑張ったのね…。」


心が痛くて苦しくて、耐えられなくなった…。涙が溜まるのを、必死で堪えた。


「あの…恭花に、言葉をかけてもいいですか…?」
「そうしてあげて…。まだ納骨はしていないの。だから、仏壇に遺骨があるわ。
それと一緒に恭花の写真も飾ってあるから…仏壇の前に座って、恭花に言葉を
かけてあげて…。」


お母さんに言われた通り、仏壇の前に移動して、恭花の遺骨と写真をじっと見つめた。


「恭花…。恭花さぁ…、29日に出かけちゃったのって…俺のせい…??
俺があのお店で食事したいなんて言わなければ、29日の夜はゆっくり
家で過ごしていたのかもしれないよね…。それに…今までくだらない現実逃避を
続けてて…自分でも何やってるのか、今やっと気付いたよ。大事な恭花が
居なくなったこと、絶対信じたくなかったんだ。恭花…ゴメンね……ゴメン。
…あのね、恭花、コレ、受け取ってくれるかな…?ご両親の前でこんな事言うのは
恥ずかしいけど…大晦日に初詣をした後、コレを渡すのと一緒に…
プロポーズしようと本気で思ってたんだ。…この結婚指輪…。俺が現実逃避を
続けてたせいで、天国に持って行けなかったね…。恭花の体がここにあるうちに、
恭花の顔が見えているうちに、恭花の左手薬指にコレをハメてあげれば、
天国に持って行くことが出来たかもしれないのに…全部…全部………全部……
………俺のせいだ……ゴメンね…恭花…ゴメンね…っ」


もう耐えられなくなった。全てに耐えられず、自分の痛みや苦しみが涙になって
次々と流れていった。だけどまだ恭花に言いたいことが残っている…。
必死に堪えて、伝う涙を手で拭って、恭花の写真をじっと見つめた。


「恭花、一つ俺と約束してくれる?いつも俺と一緒にいて欲しいんだ…。
だから、きっと………また、会えるよね………。また絶対、会おうね。
その時は、今と同じ格好、この青いセーターを着て、ずっと待ってるから…。
また会うって、約束してくれる…?また、会えるよね。」


もうそれ以上は何も言えなかった。言えれば言いたかった事がいっぱいあったけど、
涙や苦しさが邪魔して、これ以上は何も喋らせてくれなかった。下を向いて、
ずっと泣き続けた。初めて人前で、子供みたいに声をあげて泣いた…。


「博くん……。」


暫く俺の涙声が響いていた静かな沈黙を、お父さんが破った。
泣き顔を見られたくない俺は、申し訳無いと思いながらもずっと下を向いていた。


「博くん……君は本当に、本気で恭花のことを想ってくれていたんだな…。
本気で現実逃避をしていた程、恭花が亡くなったことを信じたくなかった…。
それも、恭花を本気で想っていたからこそ、やった事なんだろう?
恭花が亡くなった後も、君はずっと恭花の携帯にメールをし続けていたな。
だけど私達にはそれが辛くて、途中で携帯の契約を解約してしまったが…。
博くん、…ありがとう…。恭花も、君のような男と交際出来たこと、
きっと幸せだったと思うぞ。本当に、ありがとうな…。博くん…。」


俺にとって、お父さんのその言葉はトドメだった。あれだけ現実逃避していた俺を
薄情者と言い、俺を殴ったりもした。だけどそれは、全て俺が悪いのだからと
思っていた。そんなお父さんが、俺に向かって頭を下げていた…。
もう今後、こんなに泣くことはないだろう。と思う程、初めて人前で大泣きした…。


ふと顔を見上げて恭花の写真を見ると、真顔で写っていた恭花の顔が、
優しい微笑みに変わっているのに俺は気付いた…。








―――2005年12月24日 PM7:00―――
この青いセーターを貰ってから1年後。
あの時と同じ、眩しい程のイルミネーションが街を照らしている。


俺はもう、恭花を亡くしたショックからは立ち直ることが出来た。
立ち直るまでに相当の時間はかかったが…。あの時、恭花がもう居ないことを
初めて認めて実家に伺った時、あの日から数えて五日後の夜、恭花が俺の夢枕に
立っていた。その時のことは今でもはっきり覚えている。夢の中の恭花は、
左手薬指に俺があげた結婚指輪をしていた。それを見せながら


「天国に届いたよ。ありがとう」


と言っていた。それと恭花は…


「博は私に向けて謝ってばかりいたけど、博は悪くない。何も悪くないよ。
だからもう罪悪感を感じて生きるのはやめて。私の分まで強く生きて欲しい。
いつでも私は、博のそばにいて、博を見守ってるよ。…あの時の博との約束…

「また、会えるよね。」

私は忘れてないよ。今年のカウントダウンコンサート、絶対行くから
席を確保しておいてね!それと博は…いつまでも私に縛られてないで、
新しい幸せを見つけてね。だって私は、もう上から博を見ていることしか
出来ないから…。それじゃぁ、バイバイ!また絶対会いに来るからね。
また、会えるよね。約束だよ!」


夢の中の恭花は、俺に「新しい幸せを」と言っていた。
…だけど、ゴメンね恭花。まだ俺は新しい幸せなんて見つけられないよ。
恭花がいるんだもん…。


その証拠に、俺はいつも肌身離さず左手薬指に恭花とお揃いの指輪をしているよ。
今まで指輪をファッションでもしているような俺じゃなかったから、
ファンには色々と誤解されて、噂まで立てられ、メンバーや事務所には
誤解させるような事はするなと注意されたけど…俺はこれを外すつもりはないよ。
メンバーは、事情を全て説明したら俺の気持ちを理解してくれたし…。


俺の心の中では、恭花と夫婦になっているつもりでいる。
一緒に暮らせないし、恭花の手料理も食べれないし、
俺と恭花の血をひいた子供の顔を見る事も出来ない。
だけど、それでもいい。
恭花はいつも俺の隣にいるよね。




恭花、ありがとう!!
約束だよ。また、会えるよね。




END
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〜感想〜
ちょっと切なくて悲しい恋物語を書いてみました。泣ける物語を書きたいなと
思って書いたんですけど…どうですか?…こんなんじゃ泣けないかぁ(^^;
もっといい物語書けるよう次々と成長していきたいです♪
感想教えてくれたら嬉しいです。宜しくお願いしますm(_ _)m

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